天狗村奇談(5) その三 権堂さんの宴(うたげ)①

その夏は、うだるように暑い夏だった。
人間はもとより、犬や猫までがげんなりしているように見えた。そんな暑さのなかでも、村の子供達は元気いっぱいだった。ぼくは毎日、近所の子供達と山の中を駆け回わっていた。暑くて我慢できなくなると素っ裸で川に飛び込み、泳いだり魚を穫ったりした。

へとへとに疲れて家へ帰ると、母が井戸の中で冷やしておいてくれたスイカやトマトをむさぼるように食べ、それからよく縁側に横になって昼寝をした。

夕方までうつらうつらしていると、何日かに一度は空が真っ暗になって夕立になった。
 稲妻が走ったり、地面が大雨に叩きつけられたりと、見慣れている光景が夕立によって様変わりしていく。それは、ぼくにとって最もわくわくする夏のイベントだった。

 ところで、夏休みに入ってからぼくは、一度だけ交番の前を通った。あれ以来交番の前を通るのが怖くて、いつも遠回りをしていたのだが、その日は誰もいないように見えたので安心して横切ろうとしていた。

 ところが、加藤巡査は奥の方にいたらしく、ちょうど交番に差し掛かったときに表に出てきてしまった。目が合い、ぼくは慌てて逃げようとしたのだが、加藤巡査はにこにこしながらぼくに声をかけてきたのである。

「おっ、正一君、真っ黒に日焼けしているじゃないか」
 優しくぼくを手招きし、キャラメルをくれた。この間のあの怖い顔が嘘のように、加藤巡査は穏やかな目をしていた。母にあんなことをした人とは、とても思えなかった。

 町田先生には、小学校の近くで出会った。先生は折り畳みイスに座って道で水彩画を描いていた。
「おお、正一。はっはっ、よく焼けてるなあ。しかし夏休みの宿題も少しはやらないといかんぞ。川で遊ぶときは、流されないようによく気をつけてな」
 そう言ってぼくに笑いかけた。いかにも子供好きな町田先生の顔だった。画用紙を覗き込むと、青々とした水田が見事に描き出されていた。

 そして、教室で母を冷たく見つめていた他のお母さんたちにも出会ったが、皆、何事もなかったように「あら、正ちゃん」とぼくに声をかけてきたし、健ちゃんも含めてクラスの子にも何人か出会ったが、不思議なことに誰一人としてあのことを口にする者はいなかったのである。

 母はといえば、当日だけは沈み込んでいたが、つぎの日からはいつもの明るい母に戻っていた。まるで終業式の日の記憶だけが、すっぽりと抜け落ちたかのように…。
 もしかしたら、あの声の主が皆の記憶を消してしまったのだろうか? それではなぜ、ぼくだけが覚えているのだろう。ぼくには、わけがわからなかった。

 あのとき、ぼくは夢でも見ていたのではないだろうか、とも思ったが、ぼくの指には、母のあそこに突き刺したときの、あの温かく柔らかい感触が、今でもはっきりと残っている。こんなことがあるのだろうか…。

 とはいえ、あれが夢だろうと現実だろうと、ぼくにとっておぞましい記憶には変わりがなかった。だからぼくは、あのことを無理にでも忘れようとしていた。

 そんなある日のこと、ぼくは健ちゃんに怪我をさせてしまった。お盆も近づき、もうすぐ夏祭りが始まるという、その夏で一番暑い日のことだった。
 ぼくはいつものように近所の子と川で遊び、素手で魚を穫っていた。

魚というのは、人が近づくと石や岩、岸の穴などに隠れる性質がある。澄んだ水の中を潜水し、そっと近づいて手で押さえ込むと、岩魚やウグイが簡単に穫れるのである。
 長時間潜水を続けるのは苦しいし、かなり疲労するけれど、一匹、また一匹と、うまく捕まえていくときの快感には応えられないものがある。

そこへやってきたの健ちゃんだった。健ちゃんもどこかで遊んできた帰りだったようだ。突然やってきてバケツの中を覗き込み、
「へえ、いっぱい穫れたなあ。おい、この魚ぼくにくれよ」
「えっ」
 健ちゃんはお兄さんのように乱暴者ではないが、親の威光を笠に着るところは同じだった。

「だめだよ、みんなで獲ったんだから…」
そう、ぼくが断ると、健ちゃんは怒り出した。
「なんだと、いいじゃないか、おい! いいか、これはぼくが貰うぞ」
と、バケツを掴んで持って行こうとするのだ。
「だめだっら、やめてよ!」
ぼくもさすがに頭にきてバケツを掴んだ。

「よこせ」
「だめだったら」
 しかし、バケツを引っ張り合っているうちに健ちゃんは弾みで足を滑らせ、倒れて頭を岩にぶつけてしまった。額から血がしたたっている。バケツも川にぶちまけられ、魚は全部逃げてしまった。

「ちきしょう、やったな」
 健ちゃんは悔しそうにぼくを睨んでから、走り去って行った。その目には涙が溜まっていた。威張ってはいても、案外意気地がないのだ。しかしぼくは、これは大変なことになったと思った。

 家に帰ると、父はすでに帰宅していて、晩酌を始めていた。役場に勤めているので帰りは早いのだ。ぼくは、父にありのままを話した。思った通り、父は仰天した。
「ご、権堂さんの子に怪我をさせたって…な、何てことをしてくれたんだ正一!」
父はぼくを怒鳴りつけ、それからオロオロしながら母に言った。
「権堂さんが怒ってるぞ。こいつのせいでえらいことになった…」

 権堂さんは村長だし、地所も借りている。権堂さんを怒らせたらこの村に住めなくなるとさえ言われているのだから、父が狼狽するのも仕方のないことだった。しかし、父はあまりにも情けなかった。逆に母の方が落ち着いていた。

「子供同士のことじゃないですか。それに悪いのは健ちゃんの方だと思いますが…」
と、ぼくをかばってくれた。
「ばっ、ばか、権堂さんの子煩悩は有名じゃないか。そっちが悪いなんて言ったら余計に怒り出すぞ」

「でも、きちんと謝れば権堂さんだって許してくれると思います…」
「だ、だったらおまえが行け。正一を連れて今から謝りに行ってこい!」
「…」
偉そうにしているくせに頼りない父を、母はがっかりしたような目で見つめた。
「な、何だその目は…この家の主は俺だぞ、主の俺が言うんだからおまえが行ってこい」
 そのうちに、黙って聞いていた祖母までが、早く行ったほうがいい、と母にけしかけ始めた。

「わかりました。私が正一を連れて謝りに行ってきます」
 母はきっぱりと言った。それから身支度を整え、うなだれているぼくの肩に優しく手を乗せた。
「さあ、行きましょう正一。だいじょうぶ、きっと許してくれるわよ」
 母はそう言って微笑んでくれたが、その顔には不安そうな色も滲んでいた。

ぼくは、母に伴われて家を出た。昼間のうだるような暑さもおさまり、ときおり爽やかな風もそよいできたが、それでも歩くとまだ汗が噴き出した。
 太陽はとっくに沈んでいたが、外はまだ明るく、西の空が燃えるように紅く染まっている。今日はもう、夕立はなさそうだった。

権堂さんの家は、江戸時代に庄屋だった頃からの由緒のある立派なお屋敷だった。
権堂さんの権力を象徴するかのように、村を一望できる高台に神社と並ぶように建っている。
屋敷に足を踏み入れるのも、権堂さんと会うのも、ぼくには初めてのことだった。

 大きな門をくぐりかけたとき、神社からピーヒャラピーヒャラという笛の音と太鼓のドンツクドンツクという音が聞こえてきた。数日前から続いている祭り囃子の練習が、今日も始まったのである。まだ息が合っていないらしく、調子っぱずれな笛の音も混じっていた。

 戸の開け放たれた表玄関から中に入り、上がり框の前に立つと、奥から年老いた使用人が出てきた。痩せていて目つきが鋭かった。ぼくは一目見て、きっとこの屋敷の使用人を束ねる番頭のような人なのだろうと思った。

 羽織っている襦袢には「安」という文字が縫い込んである。たぶん安二郎とか何とかいう名前なのだろう。
「どなたかな…何のご用で」
安二郎は作り笑いをしながら尋ねたが、母が来意を告げるとぴたりと作り笑いが消えた。

「すると、家の坊ちゃんに怪我をさせたのはあんたの子かね。それでお詫びに来たということだね」
「はい、さようでございます」
母が答えると、安二郎は明らかに憎しみのこもった声で、
「旦那様は奥の縁側にいらっしゃるから中庭を回って行くといい。ただし、旦那様はたいそう機嫌が悪いから覚悟して行きなさいよ」
 わざとぼくたちを怖がらせるようなことを言うのだ。

ぼくが憎らしくて、言わずにはいられなかったのだろう。使用人がこれでは、権堂さんがどれほど怒っているか知れたものではなかった。ぼくも青くなったが、母はもっと青くなっていた。それでも母は、
「ありがとうございました」
 と、安二郎に深々と頭を下げた。
だが、ふん、と鼻を鳴らし、早く行けというように顎をしゃくった安二郎が、ぼくには何とも憎らしかった。

 ぼくと母は、表玄関を出て中庭に向かった。屋敷の角を回り込むと、よく手入れをされた広い庭が広がっていた。縁側には権堂さんらしき人物が座っていて、夕日に照らされながら酒を飲んでいた。

 縁側と言っても屋敷自体が大きいから、公会堂の舞台ほどもある。その広い縁側を一人で独占するように浴衣姿であぐらをかき、大振りの杯でくいくいと酒を飲んでいる姿は、噂に聞く権堂さんそのものだった。

 権堂さんは手足も長く、背も高いのに、鶴のように痩せているという。額は大きく禿げ上がり、太い眉毛の下にはギョロッ、とした目が光かっている。鼻がやたらに高かくて、まるで天狗のような人相であるという。まさに噂通りだった。

 安二郎が素早く知らせに来たのだろう、権堂さんは最初からこちらを見つめていて、僕達が中庭に入ると、早くここまでこい、というように手招きをした。

母の顔を見上げると、母はぼくを安心させるようにこくっ、と頷き、ぼくの手を引いて権堂さんの前に進み出た。二人で縁側の前に立つと、権堂さんは無言でぼくたちを見下ろしながら、くいっ、と杯を煽った。それから、おもむろに口を開いた。
「わしの倅に怪我を負わせたのは、おまえか」
権堂さんがぼくを睨んでいる。足がすくんでしまうほど怖い顔だった。

「た、たいへん申し訳ないことをしました…。どうぞお許し下さい」
母がぼくの代わりにお詫びの言葉をのべ、頭を下げた。
ぼくも慌てて頭を下げたが、権堂さんはそれっきり、また無言になった。

 かなり長いこと、二人で頭を下げていたと思う。上目遣いに見ると権堂さんは、いったいこいつらをどうしてくれようかと思案しているらしく、苦々しい顔で二度、三度と杯を煽っていた。

「安、健次を呼んでこい」
 権堂さんが奥に声をかけると、しばらくしてから安二郎につれられて、健ちゃんが縁側の奥から現れた。頭には包帯が巻かれている。

「健次、おまえを突き飛ばしたのは、この子かい」
意外にも、健ちゃんに話しかけるときは優しい声だった。それに目つきも穏やかである。
「そう、こいつだよ。正一がぼくを突き飛ばしたんだ」
 違う、とぼくは思った。ぼくは突き飛ばしてなどいない。健ちゃんが勝手に足を滑らせたんだ、と心の中で叫んだ。それが顔に出たのだろう。権堂さんは一変して怖い目つきになった。

「謝りに来たと言ったが、この子は少しも反省していないように見えるぞ」
「い、いえ、そんなことはございません、この子は深く反省しております…」
 母は慌てて弁解し、さらに何度も頭を下げながら申し訳ありません、と繰り返した。そんな母がどこか惨めに見え、ぼくには堪らなかった。

「そうか、それなら反省していることにしておいてやろう。しかしだ、何にしても大事な倅に怪我を負わされたのだ。謝られたからといって、ああそうですか、と簡単に許すわけにはいかん。それなりの代償を払ってもらわんと、ご先祖様に申し訳が立たん」

「…治療費などでしたら、こちらでお払いいたします」
「そんなことはどうでもいい。わしが言うのは我が家の面目のことだ」
「面目…と申しますと…」
母の顔に動揺と不安が広がっている。
権堂さんの目が、いっそう鋭い光を放ち始めていた。

「ご維新さえなければおまえ達平民など、何をされても文句は言えないのだぞ。何しろ我が家のご先祖様はこの村の庄屋だったのだ。庄屋というのは、武士で言えば殿様も同様だ。その息子を傷つけられて黙っていたのでは、当家を預かるわしの面目が立たんのだ」
「…」

 母は言葉が出なかった。困りきっている母をどこか楽しそうに見やりながら、権堂さんは猫なぜ声で健ちゃんに尋ねた。
「健次、こんな怪我をさせられて悔しかったろう、遠慮しないで言ってみるがいい。おまえはこの子をどうしてやりたい?」

 健ちゃんは、権堂さんにニヤッ、と笑って見せ、それから、庭にある太い柿の木を指さしながら言った。
「お父さん、こいつを裸にして、あの柿の木に吊しちゃってよ」
「そうか、裸にして、痛めつけて、それから柿の木に吊すか…いいだろう、そのくらいのことをしてやらんと、身にしみて反省はせんだろうからな」
「そ、そんな!」
母は驚いて叫び上げた。その顔がみるみる蒼白になっていった。

「ど、どうか…そんなことはしないで下さい」
 母は、唇を激しく震わせながら頼んだ。しかし権堂さんは答えず、冷たい目で母を見下ろすばかりだった。

やがて、権堂さんは安二郎を振り返り、
「おい安、聞いていたろう」
「はい、そのようにしてよろしいのですな」
「うむ、おまえにまかせる」
「喜んでやらせて頂きます。まずはこの小僧を、素っ裸にすればよろしいのですね」
満面に喜色を浮かべて立ち上がった安二郎が、縁側から草履を履いて下におりてきた。

ぼくは怖くて逃げ出したかったが、足が震えて動けなかった。
「何をするんです…本当に吊す気ですか、お願いですからやめて下さい」
 母が、庇うようにぼくの前に立ったが、安二郎は馬鹿にしたようにせせら笑いながらぼくたちに迫ってきた。

「お願いです、やめて下さい!」
 叫びながら両手を広げた母を乱暴に押しのけ、安二郎がぼくの腕を掴んだ。恐ろしくて、思わずぼくは悲鳴を上げていた。

 母は安二郎の腕にしがみつき、必死に止めようとしてくれた。しかし安二郎は、老いていても驚くほどの腕力を持っていた。しがみついた母を振り回すようにしてぼくを地面に押し倒し、シャツをめくり、ズボンを引き下げたのだ。

「わあっ…」
あまりの怖さに、ぼくは叫び上げた。そのときである。
「やめて下さい!」
母があたりに響き渡るような声で叫んだ。
(母のどこからあんな声がでたのだろう)
 母の声にはそう思わせるほどの迫力があった。

安二郎もはっ、として手を止めたほどだった。母は、権堂さんの方に向き直り、
「私が身代わりになります。だから正一には何もしないで下さい」
 と、きっぱりと言いきった。さっきまでとは別人のように思えるほど、堂々とした母の態度だった。

「ほう、おまえが息子の身代わりになるというのか」
「はい。正一の代わりに殴るなり蹴るなり、私を好きにして下さい」
そう答えた母の目に怯えた色はなかった。それどころか、凛とした光まで放っていた。

「ふうむ…しかし、女では殴ったり蹴ったりするわけにもいかんしな…となるとおまえは、女としての辱めを受けなくてはならんことになる。それでもよいか」
「はいっ」
母は、きっぱり答えた。

「その言葉に嘘はないな」
「ございません」
 頷いた母を見上げながら、ぼくは言葉もでなかった。ぼくを守るために、身代わりを買って出た母の姿は凛々しくさえあった。しかし、いったい母はどうなるのだろう。母の心は嬉しいけれど、ぼくはとてつもなく恐ろしかった。

「健次、正一の母親がああ言っているが、どうする? この女は我が子を助けようと悲壮な覚悟をしているのだ。わしはその覚悟を尊重してやるのが礼儀だと思うがな」
健ちゃんはニヤッ、と笑いながら答えた。
「うん、いいよ…その方がおもしろそうだ」
こいつめっ、とぼくは全身が焼けるような怒りを覚えた。

「しかし、おまえ達は運がいいぞ」
権堂さんは、ぼくたちに目を据えて言った。
「家内は事情があって、昨日から実家の方に里帰りしている。もし家内がいたらおまえ達は八つ裂きにされていたろうな…それに健一のやつもそれ、そこで太鼓の練習をしているが…」
権堂さんは神社を指さした。健一というのは、あの乱暴者のお兄さんのことだ。

「あいつも可愛い弟が怪我をさせられたとあって相当に怒っておったからな。あいつがいたら、やはり何をされるかわからんな」
 ぼくはごくり、と唾を飲んだ。運がいいと言いながら、実は一番怖いのはこのわしだよ、と、権堂さんがぼくたちを脅かしているように思えてならなかった。

「では二人とも、ここへ上がってこい。健次に怪我をさせた報いをたっぷりと味あわせてやる」
「安、台所の者に酒を持ってくるように伝えてくれ。それと、新しいつまみもな…何やらおもしろくなってきたわい」
安二郎はぼくを押さえていた手を放し、縁側の奥に消えていった。

権堂さんの目が、異様な光を帯びて輝いていた。
神社の境内からは、さっきより息の合った笛の音と、力強い太鼓の音が響き渡っている。
夕焼けが空一面を覆っていた。
真っ暗になるまでには、まだ時間がかかるだろう。

ぼくと母は靴を脱いで縁側に上がった。そして、ぼくだけが権堂さんの少し後ろに正座させられた。
「正一、お母さんは何があっても平気だから…自分を責めてはだめよ」
 母は、決意を秘めた顔に笑みを浮かべ、ぼくに囁いた。それから母は権堂さんの前に進み出た。健ちゃんは、権堂さんの横に座っている。

「さあ、まずは素っ裸になってもらおう」
命令してから、権堂さんは届けられた新しい酒を旨そうに飲んだ。
 母はすーっ、と深呼吸してから服を脱ぎ始めた。毅然とした顔だった。しかし、わずかに目が潤んでいる。

 母はブラウスを脱ぎ、スカートを下に落とした。スリップを脱ぎ捨てると、たわわな乳房が弾むように飛び出した。

 頬が赤く染まっている。覚悟はしていても、恥ずかしさが火のように込み上げてくるのだろう。パンティにかけた手が、小刻みに震えていた。しかし母は両目をきっと光らせ、唇を噛み締めながらスルッ、と尻からパンティ剥き下ろした。そして、そのまま下げおろし、両足から引き抜いた。

 素っ裸になった母の体が、夕日に染まっていた。恥ずかしくて堪らないだろうに、母は前を隠そうともしなかった。権堂さんは見事に張り出した母の乳房や、腰のあたりを舐めるように見まわしている。

「うーむ、実に…実にいい体をしている…」
権堂さんは溜息をつくように言いながら、かなり長いこと母の体を見詰めていた。
母は、歯を食い縛りながら必死に視線に堪えている。

「よし、四つん這いになって、尻をこっちに向けるんだ」
権堂さんが、容赦なくつぎの命令を下した。
「は、はいっ…」
 母はすーっ、と息を吸い込んだ。そして意を決したように、ぼくたちの方に背を向け、床に膝をついて、両手もついた。四つん這いになった母の尻が、盛り上がるように突き出された。

「ほおー」
圧倒されたように権堂さんが溜息を漏らした。健ちゃんも一緒になって目を細めている。
 胸を締めつけられながらも、ぼくも吸い込まれるように母の尻を見入ってしまった。鏡餅を二つ並べたように丸くて白い、重量感のあるお尻に、見ずにはいられない妖しい迫力があったからだ。

 権堂さんは杯を下に置いた。母ににじり寄ると、尻に息がかかるくらいに顔を近づけ、抱きかかえるように両手を乗せた。
「おお、何とすべすべして…吸いついてくるようじゃのう」
 権堂さんは感嘆の声を漏らしながら母の尻を撫で回し、二度三度と頬ずりをした。母はおぞましそうに身を震わせながらも、決して抗おうとはしなかった。

「健次、おまえも触ってみなさい」
「うん」
 うながされ、健ちゃんも手を伸ばした。二人して陶器をいじるように母の尻を撫でさすっている。何という親子だろうとぼくは思った。
「もっと足を広げるんだ」
「は、はい…」
母は言われた通りにした。

「もっと、もっとだ」
母は、乳房が床に触れるほど背中を前に傾け、お尻をめいっぱい突き出して足を広げた。
 尻の割れ目がこれ以上無理というところまで開ききり、肉ひだやお尻の穴を剥き出しにしている。あまりにも恥ずかしい母の姿に、ぼくの胸はつぶれそうだった。しかし母は、ぼくのためにしてくれているのだ。どんなに悔しくても、母が哀れにみえようとも、ぼくは堪えるしかなかった。

「うほほ…ぱっくりと開きおって…」
 好色そうな笑いを漏らしながら、権堂さんが両手の指を母の肉ひだに添え、左右に掻き広げた。赤黒い粘膜が剥き出しになり肉穴も顔を出した。権堂さんはいきなり人差し指を肉穴に突き刺した。
「あうっ…」
 母は喘ぎ、背中を激しく震わせたが、権堂さんの指はずぶずぶと母の体内に埋没していった。

「おう、ねっとりとして…堪らんわい」
 権堂さんは根本まで突き刺した指で、母の肉穴をねちねちと掻き回し始めた。母はおぞましさに震え、首を打ち振っている。

「どうだ正一、母親の穴をこねまわされる気分は?」
 ぼくに振り向いた権堂さんがにたにたと笑っている。どうだと言われても返事のしようもなかった。ぼくの胸はさっきからずっと張り裂けそうなのだ。

「おいっ、この穴は何という穴だ?」
権堂さんは母に向かって尋ねた。
「そ、それは…」
母は言葉を詰まらせた。
 ああ、どうして大人達はあの恥ずかしい言葉を母に言わせたがるのだろう…と、ぼくは思った。母の羞恥に悶える姿が、よほど刺激的なのだろうか?

「言ってみろ、おまえのそのお上品な口で四文字を言ってみろ」
「…はっ、はい…言います…そ、その穴は…」
「その穴は? 何? つぎが聞こえないぞ」
「お…」
「お…何だ」
「お、おま*こです…」
 母は羞恥に震える声をやっとのことで絞り出した。

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